引用:2014年10月26日/Facebook【医療法人社団医献会 辻クリニック】
【殺虫剤の毒性と水素の防御作用についての論文】
1965年に登録され、日本でも大量に使用されているシロアリ駆除剤『クロルピリホス』があります。
これは木造建築の多い日本だけでなく、芝生を荒らす虫の駆除剤としても大量に使用されています。(日本では『防虫畳』として使用されました)
この物質は元々第2次世界大戦中に『神経ガス』として開発が進められた物質です。
ここ最近はシックハウスシンドロームの危機感から、子供の暴露する可能性の高い場所での使用が徐々に禁止されつつありますが、まだ完全ではありません。
最近では、中国野菜から残留農薬として大量に検出されたことが話題となりました。
クロルピリホスは有機リン系殺虫剤の代表で、神経組織に存在する『コリンエステラーゼ』という酵素を阻害する作用を持ち、人体にとっても神経毒として作用します。
アセチルコリンを分解するコリンエステラーゼの阻害ににりアセチルコリンが異常蓄積し、被ばくした人は、記憶障害や情動問題、疲労、筋力低下などを引き起こします。
またクロルピリホスは強力な活性酸素である『ヒドロキシラジカル』を産生します。この反応とコリンエステラーゼ阻害の問題との関連について、この論文は興味深い結果を示しています。
結論からいると、クロルピリホス投与は『ヒドロキシラジカルの増加』と『コリンエステラーゼ活性の低下』を引き起こしますが、水素の投与によって
・酸化ストレスの軽減
・コリンエステラーゼ活性の改善
を認めたとし、水素が有機リン中毒から神経を保護したとしている。
言い換えれば、有機リンによるコリンエステラーゼの阻害作用には活性酸素が多いに関係していたということにもなります。
加えて、水素の作用自体は活性酸素の除去であったとしても、それによる酵素活性の変化(改善)によって、二次的改善効果が数多く認められる可能性があります。このような論文については、今後も随時追いかけてゆこうと思います。
また、使用量が大きく制限されたとはいえ、有機リン系殺虫剤の使用は横ばいのままであり、中国野菜の問題など、まだまだ問題が多いとも言えます。当然ながら有機リン系物質を摂取しないことが望ましいことですが、防御しきれないレベルについては「その神経毒の作用を除去/軽減する水素」という意味合いのほうが大きいように思います。
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