ホーム    【Facebook】水素が脳血液脳関門の破壊を抑え、高血圧などによる脳神経破壊を抑制する論文

引用:2015年6月14日/Facebook【医療法人社団医献会 辻クリニック】

【水素が脳血液脳関門の破壊を抑え、高血圧などによる脳神経破壊を抑制する論文:http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC4411925/(2015年 防衛医大脳神経外科から発表された論文】

脳には『血液脳関門:BBB』という器官が存在し、末梢組織のように血中の物質がなんでも通過できるようにはなっていません。
このBBB、血管の構造であることはあまり知られていません。末梢の毛細血管は、その毛細血管内皮細胞の間にすき間が存在しますが、脳の場合は『タイトジャンクション(図)』となってすき間を塞いでいるため、多くの物質は細胞膜の輸送体を通しての通過しかできなくなっています。さらに、アストロサイトという免疫性細胞が取り囲み、門番の役割をしています。

論文では、脳卒中を起こしやすいラットにおいて、活性酸素がBBB組織を破壊することが神経細胞の破壊につながることを見つけたことです。そしてその破壊は初期には『海馬』に集中することを述べています。

そして水素は活性酸素とMMPによるBBB破壊を抑制しうることを述べています。
この論文で興味深いのは、活性酸素によるBBB破壊とそれに伴う神経細胞破壊が『海馬』に多いことです。海馬は
・虚血に対して非弱
・アルツハイマー病の初期病変部
・心的ストレスによるコルチゾール分泌で障害されやすい部位
・PTSDやうつ病で萎縮する部位
・βエンドルフィンの分泌部位
といった特徴があり、多くの脳神経障害での研究対象となっています。

その部位のBBBが活性酸素のターゲットの中心であり、水素による活性酸素除去によってBBB破壊を予防し、MMP活性を低下させ、神経を保護するという論文は大変興味深いものです。

個人的には、脳神経障害の初期にBBBの破壊が起こることは納得のいく内容の論文であり、またBBBの保護が脳神経細胞の保護にかかわることも興味深い。

加齢による活性酸素(細胞障害性活性酸素CROS)の増加と抗酸化力の低下は、全身の細胞を破壊しうるが、『人は血管とともに老化する』と言われるように、血管(特に血管内皮細胞)の酸化劣化による構造破壊が、多くの疾患の基本と考えてよさそうです。そのことは『血管の酸化抑制がアンチエイジングの基本』といっても良いだろうと個人的には考えています。

水素による『血管老化の予防/治療』は当院におけるトータルアンチエイジングの中心的治療でもあります。
今後も当院においても多くの臨床データをエビデンス構築に取り組んでゆきたいと考えています。

医療法人社団医献会 辻クリニック
東京都千代田区麹町6-6-1長尾ビル8F(四ッ谷)
03-3221-2551
info@tsuji-c.jp

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