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論文79「水素酸素吸入はCOVID-19 オミクロン株患者のウイルス排泄を促進する」
https://h2-therapy.com/wp-content/uploads/2024/01/0491c35306ebde2f3caec1e275fe4920.pdf
The efficacy of hydrogen/oxygen therapy favored the recovery of omicron SARS-CoV-2 variant infection: results of a multicenter, randomized, controlled trial
水素酸素吸入はCOVID-19 オミクロン株患者の回復を促進する
:多施設、無作為化対照試験の結果
(10秒で読めるまとめ)
COVID-19(オミクロン変異株)患者64人に、水素/酸素吸入 または 酸素のみを吸入してもらい比較した結果、水素/酸素吸入によりリンパ球が増加し(免疫応答の増強)、炎症反応が減少し、ウイルスの排泄と肺の病変の回復が促進されることがわかった。
(1分で読めるまとめ)
◆結論
水素/酸素吸入は、COVID-19 オミクロン変異株患者の回復を促進する。
◆ポイント
· 従来型は下気道(気管から肺まで)で増殖したが、オミクロン株は上気道(鼻から喉頭まで)でよく増殖し、感染力は2.7倍以上とされ、免疫を逃れながら細胞に結合する力が強いという、厄介な性質をもつ。
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· COVID-19オミクロン変異株患者64人を、水素/酸素吸入グループ(32人)と酸素吸入グループ(32人)に分け、ウイルス排泄効率やリンパ球の値、肺の病変の経過を比較した。
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· 水素/酸素吸入群では、ウイルスの排泄期間が短縮し、肺の病変がより多くの患者で解消された。
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· 水素/酸素吸入群では、リンパ球が基準値の61.1%に増加し、炎症反応(IL-6)が基準値と比較して22.8%減少した。 |
(原文と翻訳)
Abstract
Clinical studies had found that hydrogen/oxygen mixed inhalation was beneficial to ameliorate the respiratory symptoms in the adjuvant treatment of patients with COVID-19. We aimed to explore the efficacy of hydrogen/oxygen therapy in favoring the recovery of Omicron SARS-CoV-2 variant infection.
【背景・目的】臨床研究によれば、水素と酸素の混合吸入がCOVID-19患者の補助治療において呼吸症状の緩和に寄与することが示されている。本研究は、水素酸素療法がオミクロン変異株感染の回復を促進する効果を探ることを目的とした。
There were 64 patients who randomly assigned to receive hydrogen/oxygen inhalation (32 patients) and oxygen inhalation (32 patients).
【方法】64人の患者をランダムに選び、水素酸素吸入グループ(32人)と酸素のみの吸入グループ(32人)に割り当てた。
The average shedding duration of Omicron in hydrogen/oxygen group was shorter than oxygen group. The trend of cumulative negative conversion rate of Omicron increased gradually after the third day. The IL-6 levels in hydrogen/oxygen group decreased by 22.8% compared with the baseline. After hydrogen/oxygen mixed gas inhalation, the lymphocyte count increased to 61.1% of the baseline on the 3rd day in the hydrogen/oxygen group. More patients in the hydrogen/oxygen group had resolution of pulmonary lesions.
【結果】オミクロンの排泄期間の平均は、水素酸素グループが酸素クループよりも短かった。3日目以降、オミクロンの累積陰性転換率は徐々に増加する傾向が見られた。水素酸素グループのIL-6値は、基準値と比較して22.8%減少した。水素酸素混合ガス吸入後、水素酸素グループではリンパ球数が3日目に基準値の61.1%に増加した。水素酸素グループでは、より多くの患者が肺の病変を解消した。
Our study showed the beneficial trends of molecular hydrogen in treating patients with COVID-19, which may offer a prospective solution to adjuvant therapy for COVID-19 Patients.
【結論】COVID-19患者の治療において分子水素が有益である傾向を示しており、これはCOVID-19患者の補助療法に対する将来的な解決策を提供し得る。
Keywords: Omicron variantオミクロン変異株; SARS-CoV-2; clinical trial臨床試験; hydrogen/oxygen therapy水素/酸素療法.
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Conflict of interest statement: No potential conflicts of interest were disclosed. 【利益相反】なし
英語 | 日本語 | 説明 |
COVID-19 | 新型コロナウイルス感染症 | 病原体「SARS-CoV-2」が引き起こす感染症。症状は軽度な風邪症状から重度の肺炎や死亡に至るまでさまざま。人によっては症状が何週間あるいは何か月も続く。世界的に広がり、さまざまな変異株がある。 |
Omicron SARS-CoV-2 | オミクロン株 | 2021年に最初に発見された新型コロナウイルスの変異株の一つ。特に感染力が強く、変異が多いとされ、他の変異株よりも迅速に広まる。 |
trend of cumulative negative conversion rate | 累積陰性転換率 | 時間の経過とともにCOVID-19患者の陰性転換率がどのように変化するかを示す指標。 |
陰性転換率 | 「患者が陰性になる割合」のこと。本研究では、治療を受けた患者が陰性に転換するまでの期間が記録された。 | |
IL-6 | インターロイキン-6 | 炎症性サイトカイン。免疫応答と炎症調節に関与する。COVID-19等の炎症性疾患では、IL-6の過剰産生が観察され、これが重症化の一因になるとされている。 |
lymphocyte | リンパ球 | 免疫系の主要な細胞。異物や感染症に対する免疫応答に関与する。リンパ球数の変化は、免疫応答や疾患の進行を評価する上で重要 |
ウイルス排泄期間の分析
炎症指標の変化 (A) IL-6 レベル、(B) リンパ球数、(C) 好中球/リンパ球比率、(D) リンパ球割合
解像度が50%以上改善(スコア:3点)
10%〜50%の間で改善(スコア:2点)
10%未満の改善(スコア:1点)
肺病変が進行した場合(スコア:−3点)